亀嵩駅

駅2 (1 - 1)   DP1x

 中国山地を越え、おろちループを過ぎて下っていくと、目的地の一つである亀嵩地区に到着しました。松本清張の小説「砂の器」の舞台になった場所です。印象に強く残っているのは、映画版で父子が美しい日本の四季の中、全国を彷徨い歩くシーンでした。重厚なフルオーケストラの音楽とともに、父子の愛情と自然が織り成す画面は多くの人の記憶に残りました。

 この写真の亀嵩駅はJR西日本の木次線の駅ですが、映画に使われたのはホームが近くの出雲八代駅で、駅舎は八川駅のようです。今回のツーリングでは、中国山地を越えるあたりから木次線と交差を繰り返し、山間を走る汽車とも会えました。今度はいつか、木次線に乗ってみたくなりました。
「水は農家の魂なり」
音無井路十二号分水

円形分水2 (1 - 1)   DP2x

 竹田・阿蘇の旅は、この円形分水を見るために計画したものです。大分県竹田市の山あいにひっそりと、今でも水を流し続けるこの円形分水には、現代の我々の想像を超えた苦難の歴史があります。すぐそばの碑には「水は農家の魂なり」と刻まれていますが、その歴史を知るにつけ、この言葉の意味が重く迫ってきます。

 その歴史は約200年前に、この地区に水路を引くことから始まりました。途中の難工事を経て、この円形分水が完成したのは明治に入ってからでした。通水工事を失敗し命をもっての償いや、長い間繰り返された人々の水争いなど、たかが水とは決して言えません。現在も三地区の耕作面積に応じた水量を配分するこの円形分水は、水流の音や躍動感から、命が宿っているように感じるのは私だけでしょうか。
銀座通り

名称未設定 (1 - 1)   DP2x

 東海道五十三次の旅は日本の道路の基点である日本橋を出発しましたが、しばらく走ると銀座通りを進んでいました。日本中に数多の銀座通りがありますが、ここは本家本元の銀座通りです。センスのいいショーウィンドーが並んでいましたが、アップルストア銀座店の前になにか積まれています。近づいたときに見てみると、故スティーブ・ジョブス氏への献花でした。100は超えていたでしょうか。多くの人に、影響を与えた方でした。

 この写真は、銀座通りの中で魅力あるショーウィンドウのひとつである、プラダ銀座店のものです。センスありますね。思わず、魅かれてしまいます。


ダンシング

イカ食い合宿 (1 - 1)   朝練撮影班提供

 今年はもうひとつ自転車で旅をしました。私はイカ食い合宿と思って名称を確認してみると、実は「イカ食い競走」でした。道理でみんな、あんなに飛ばしていたんだ。この時は、ゴールドの ORBEA に乗る機関車トーマスさんの後ろをついていこうと一生懸命頑張りましたが、何度も何度もつき切れしてしまいました。車体は NAMBEI オリジナルフレームにカンパで組んだものです。カイセイのパイプは適度にしなって弾むように走り、軽いクロモリレーサーの乗り心地を味わえます。興味がある方は、南米商会までどうぞ。
 この写真は、呼子に向けて最後の難所を越えているところで、撮影用にダンシングしてますが、もう限界寸前でした。このあたりって、アップダウンが結構ある地形なのが良くわかりました。
比婆山駅

駅レタッチ (1 - 1)   DP1x

 生まれて初めての宿泊ツーリングでした。今年の5月の連休に、広島まで新幹線で輪行し奥出雲に行こうという計画のもと、「Dr.K の遠くへ行きたいシリーズ」に参加しました。他の方は皆旅のベテランでしたが、私は初めての参加でペース配分がいつもの朝練とは勝手が違い、中国山地越えを前にした80km時点でハンガーノックらしきものに襲われました。そのときは、平地でさえいくら漕いでも漕いでも力が入らず、まったく前に進みませんでした。でも不思議なもので、峠の頂上を越え、さらに20kmほど下ったあたりで脚が復活しはじめました。今考えれば、初めての長距離ツーリングで緊張し、構えすぎて最初から体に力が入りすぎていたのかもしれません。本当にヘトヘトにまでなったときに、人間って自然体になれるのでしょうか。このときの車体は、ANCHOR RNC7 でした。最後の脚の復活は、クロモリフレームのせいかもしれません。
 この写真は、ハンガーノックでダウン寸前になったときに休憩した、芸備線の比婆山駅です。もちろんレタッチしていますが、空が黄色く見えるぐらいに疲労するといいますが、このとき私が見た景色はこんな感じでした。
白水ダム

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 晩秋に、大分県竹田市にある農業土木遺跡を訪ねました。持ち出したのは、ANCHOR RNC7 です。クロモリフレームの乗り心地はツーリングにぴったりで、フロントバッグをつけてからは落ち着いた直進性になりました。この写真は、正式名は白水溜池堰堤といい、日本一美しい水流を持つダムと呼ばれています。大分県竹田市の大野川上流にあり、両端部にはそれぞれの地形に応じて、右岸側には武者返しの曲面流路、左岸側には階段状の流路が設けられています。そのカーブの美しさに見とれ、しばらくぼーっと眺めていました。
 このあたりの地形は、地図で見るよりもずっと高低差があります。火山灰の台地を東西に流れる複数の川が深い渓谷をつくり、南北への移動は谷底へ下がったり上がったりを繰り返さないといけません。この撮影地も谷をずいぶん下ったところにあり、その傾斜も急でした。このあたりを巡っているうちに、RNC7 のツーリング仕様化のアイデアが頭をもたげてきました。
大津絵

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 今年の10月の連休に、ツーリング仲間と東海道五十三次の旅に出ました。車体はANCHOR RHM9です。輪行時の軽量さと平地番長の性格が最初はとてもうれしく感じたものですが、日本橋から平地を約90km走った後の箱根の激坂の途中で脚に来て、その後の骨までキンキン来るカーボンの硬さが堪りませんでした。真っ暗な芦ノ湖の坂道を、骨と筋肉の奥から力を搾り出して、止まるような速度でよたよた走ったのは忘れられません。
 この写真は大磯の本宿跡の民芸店にかけてあった大津絵です。寛永年間に誕生した大津絵は、当時の東海道の土産物ですが、現在もこの絵を大磯在住の画家河口邦山氏が描かれています。この写真をツーリングものの最初の写真に選んだ理由は、この写真の発色の良さが今年一番だったからです。その場で私が感じた色彩が、そのまま表現されています。その時の心情に左右される色の感じ方まで再現できる機材が、私にとっては一番です。私にとっての写真の評価は自分の心情に左右されるので、皆さんにとってもいい写真とは限りません。これ以降、私はFoveonセンサーの魅力にどっぷり浸かっていきます。
 ツーリングものなら時系列で記事を書くべきでしょうが、私は心魅かれる写真を順不同に取り上げていこうと思っています。そもそも写真はその一瞬を切り取られたときから、時間や空間を超えて存在していくものと思います。デジタルの時代になって、そのデータが世界中のサイバー空間を飛び交うようになると、一層その思いが強くなりました。そんな時空を超えた存在になった写真を、自分のあやふやな記憶にあてはめて元の順番に置くことに意味をあまり感じません。写真という、アートの世界を楽しんでいこうと思います。
 

防波堤の夕陽

_DSC0090_92.jpg  D90+10.5mm F2.8

今日からブログを開設します。好きなカメラやレンズを持って、お気に入りの自転車で撮影した写真を中心に作っていきます。今年はたくさんツーリングに行くことが出来たので、次回以降その時の写真からはじめます。本日の写真は、近所の愛宕浜の防波堤までポタリングした時に見た夕焼けで、雲の広がりと集約された夕陽の中心が宇宙を想像させる気がします。